19世紀フランス・リヨンの名門楽器工房「Couturier à Lyon」によって製作された、極めて希少なコルネット(製造番号5460)です。
ベル部には「Couturier à Lyon / Fournisseur breveté de la Maison de l’Empereur(皇帝御用達特許供給者)」の刻印が確認されており、フランス第二帝政期(ナポレオン3世治世・1852〜1870年)において、帝室軍楽隊や宮廷楽団へ納入されていたことを示す貴重な証拠です。
本器は調性変更可能な替え管(クルーク)付きで、B♭のほか、A、A♭、Gに対応しています。
またハイ・ローピッチを替えるための替管も付属します。
時代的背景を反映した仕様で、当時の演奏スタイルやアンサンブル事情に応じた柔軟な運用が可能です。
奇跡的に気密性が残っており、新品とは比べられませんが充分に演奏可能な状態です。
表面には美しい酸化被膜が乗っております。
■ 解説
Couturier工房は1812年に創業され、フランス・リヨンにて金管楽器製作を行っていた名門工房です。特にジャック・クチュリエ(Jacques Couturier)による1850〜60年代の製作楽器は、アドルフ・サックスの特許を正規に取得し、フランス帝室の公式供給者としての地位を確立。リヨンの軍楽隊や音楽学校で重用されていました。
本器は、そうしたCouturier工房の黄金期に製作された個体であり、当時の楽器製作技術と演奏文化を今に伝える、極めて貴重な遺品です。国内外の楽器博物館・歴史的金管コレクションと比較しても、現存数は極めて少なく、状態・付属品の揃い具合から見ても極上の一品です。
ご質問などお気軽にどうぞ。博物館級の品ですので惜しいですが、価値をわかってくださる方にお譲りします。
この品以外にはまず出回らないと思います。